スノーピーク・ソリッドステーク　vs　村の鍛冶屋・エリッゼステーク


「鍛造ペグ界のジェネリック」の異名を持つ通称エリステ

・・・その実力や如何に？

村の鍛冶屋・エリッゼステーク28

今年の5月に8本購入して、合計9回のキャンプでほぼ毎回使用。

その先端を確認してみますと・・・1本派手に潰れてますな。










スノーピーク・ソリッドステーク30

購入したのは・・・2年前くらい？

もっとあったのですが、GWに忘れてやむちゃらさん回収保管中・・・（すいません）

現存する4本の先端は？

・・・多少の年季を感じますが、まだまだ現役ですね。










ついでに、ソリステ20の方もチェックしましょう。

こちらも使用年数は2〜3年

・・・わっ！1本派手に曲がってますね〜。










ソリステ30とエリステ28を並べて見ますと・・・

ソリステも軽微な先端潰れが1本確認出来ました。

エリステは、重症1本と中程度の潰れが1本ですね。

う〜ん・・・気持ちソリステ有利ですな。










塗料の剥がれは、エリステで1本派手に剥がれていますが、

ソリステの方は・・・剥がれ見えず。（黒いから？）










ハンマー打撃面の剥がれは、どちらも似たようなものですかね。

黒いのでわかりませんが、ソリステも打撃面は全面剥げています。



ということで、外観では先端潰れの差で、ソリステが若干優位。

（条件も色々ありますので厳密な話ではありません。なんとなくのフィーリング。）









さて、外観上はソリステが若干優位でしたが、強度面ではどうでしょうか？

まずは仕様の比較から・・・



■ソリステ30（スノーピーク）





■エリステ28（村の鍛冶屋）







やはり、特筆すべきは断面形状の違い。

スノピφ8mmに対し、エリステ9x7mmの楕円（長円）形状


流石の村の鍛冶屋さんも、ソリステを完コピするのはプライドが許さなかったのでしょうか？

この独特の楕円形状は、当然のことながら、9mm方向は強くて、7mm方向は弱い。

（スノピの8mm円形状と比較して）


そして、クルクル回らないという触れ込みだが、むしろ地中の岩に当たったときは

ハンマーの打撃毎に回ることがある。

そりゃあそうだ・・・ペグだって少しでも刺さりやすい方向に行きたいのだ。

スノピの場合は回転しても状況は変わらないから、回転しにくいが、

エリステは回転することにより状況が変わるので、回転したくなるのである。（ペグの気持ち）









ということで、最大の売りであり、メリットである「目立つ着色」を除いては

若干不利な印象のエリステ君。

実際にその強度でどの程度の優位差があるのか、無理して計算してみましょう。（爆）



調べてみると、世の中には「オイラーの座屈式」なるものがあって、

長い棒が「座屈」＝ぽっきり折れる（曲がる）荷重というのが計算できるらしいのです。

何やら、ペグ上下端の拘束条件によって、計算結果も変わってくるようなので、

今回は両端とも自由端とします。（何のこっちゃ？）

イメージは下図。ペグの下には硬い岩、上からハンマーで荷重を与えます。



肝心の「オイラーの座屈式」は、ネットで調べるとこんなのでした。

P=3.14^2・EI／L^2

E: 材質のヤング率（エリステもソリステもS55C）→ 2.1e+5N/mm2（ネット調べ、自信無し）

I: 断面二次モーメント → 断面形状で決まるらしい。公式あるが省略。

L: 棒（ペグ）の長さ


というわけで、早速、怪しさ120%の計算をしてみます。

（キャンプブログですので、間違っていても大目に見て下さい（爆））



Iソリステ=3.14×d^4／64=3.14x8x8x8x8／64=201mm4
Pソリステ=3.14^2・EI／L^2=3.14x3.14x2.1x100,000x201/(300x300)=4,624N=472kgf

■ソリステ30は、472kgfの荷重をかけると、ポッキリ折れます。
　　（もしくは、ぐにゃっと曲がる）



Iエリステ=3.14xbh^3／64=3.14x9x7x7x7／64=151mm4
（↑弱い方向の形状で計算しています。）
Pエリステ=3.14^2・EI／L^2=3.14x3.14x2.1x100,000x151/(280x280)=3,988N=407kgf

■エリステ28は、407kgfの荷重をかけると、ポッキリ折れます。
　　（もしくは、ぐにゃっと曲がる）



・・・ということで、エリステの弱い方の向きに対しては、

ソリステの方が15%ほど強度的に優れています。

（エリステをあえて弱い方の向きで計算したのは、モノは大体弱いところから壊れるからです。）





ところで、オイラーの式を見ると、L（長さ）が二乗で効いてくることに気付きます。

もし、エリステが28でなくて、30だったら・・・？

Pエリステ=3.14^2・EI／L^2=3.14x3.14x2.1x100,000x151/(300x300)=3,474N=354kgf

う〜ん、2cmで50kgfくらい変わってきますね。

村の鍛冶屋さん、これは28cmにしておいて正解だったかも。。。（狙い通り？）





ちなみに上の計算は、あくまで静荷重（静かにそ〜っと与えた荷重）の場合で、

実際はハンマーで衝撃的に叩くわけですから、条件は違うでしょうね。

あくまで相対値比較の目安程度ということで。。。





以上より・・・


■■■結論■■■

ソリステ30の方が、少し強そう。

でも、エリステ28は、派手だから忘れない（爆）



・・・つまり赤色ソリステが出れば無敵ですな。。。



（おしまい）