ダイワ 20ルビアスと21カルディアの違い
左:20ルビアスLT2000S 右:21カルディアLT2000S-H
あまりに暑過ぎるので今週も釣行は断念・・・って、夏は当分行けそうに無い。
・・・ということで、あまりに暇なので、
前々から気になっていた、この2機種の違いに触れたいと思う。
というのも情報過多の時代ゆえ、様々な情報が巷に溢れてはいるのだが、
どれもこれも似たような情報ばかり
つまりはカタログスペックの比較に終始しているものがほとんどである。
そもそも巷の釣りブログを眺めて思うことは・・・いや、これ以上は自重しておこう(爆)
20ルビアスは24ルビアスにモデルチェンジするために、
既にダイワのHPから姿を消してしまっているが、まだまだ市場在庫は豊富にありそうで、
ここからが買い時であろうw
ところで、20ルビアスと21カルディアという、
グレードとしてはワンランク違いの両者を使った感想を先に述べておくと、
あらゆる点で20ルビアスの方が上である・・・と価格なりの評価に落ち着いてしまう。
もちろん軽さはスペック通りの差があるが(2000番で、150gと175g)
何よりその軽さ差の体感半分くらいが、回転体であるローターに振り分けられていることが大きい。
ローターの重さは、巻き始めの重さに直結し、
ぐるぐるっと回して手を離したところで盛大に回り続ける様は、正に安いリールのあれであるw
というわけで比べるまでもなく、高い方がいいリールだし、両者で悩んでいるのであれば、
私はルビアスをお勧めするが、そんなありふれた事を書きたくてこの記事を書き始めたわけではない。
さて、両者の違いは並べて比較すると非常にわかりやすく、
ダイワのエンジニアが真面目に価格差を出すように考えていることがよくわかる。
まずは、ベイルであるが、ルビアスのベイルは流線型でつるんとしている。
片や、カルディアのベイルは、明らかな繋ぎ目があるw
どう見てもこっちの方が安そうだ(爆)
しかし、実釣で悪影響があるかどうかはわからない・・・それが趣味の世界というものだw
他にも何故かネジがデカいとか、ネジ頭がやや出っ張り気味とか、
地味な嫌がらせ?のような差異が存在する。
これらは並べて見れば明らかだが、例えば初めて手に取ったリールがカルディアだったとしたら、
何も思わずに使い続けるレベルの差であろう。
しかし、実際には違う。
暇なおじさんはリールを並べてゴタクを並べるのが大好きだ。
そしてやっぱり高い方がいいね・・・という結論になるように上手く出来ている。
そのダイワの術中にまんまとハマったのがこの記事だ(爆)
↓20ルビアス
↓21カルディア
そしていよいよ話は核心に入る
私が最も気になった両者の差は、このボディの厚み差である。
左がルビアスで、右がカルディアだ。
明らかにカルディアが分厚い。
どこのことを言ってるの?・・・というと、ココのことを言っているw
ボディの厚みの定義は様々解釈があるだろうが、私はココの寸法を比較してみた。
寸法はノギスではなく定規で測ったレベルであるから、多少の誤差は有るだろう。
体感では1.5倍くらい違うと思ったが、寸法的には1.25倍しか違わなかった・・・おかしいなぁw
まあどちらにしても、こんなに見た目で大きな違いがあるのに、
巷のほとんどの情報は、このことに触れていないのである。
これはどう考えても見過ごすことの出来ない大きな差でしょう。
このボディ厚みの差は、両者の材質差から来ていることは容易に想像出来る。
巷にありふれた情報によるとw
20ルビアスがザイオン、21カルディアがザイオンVという材質で、
いずれもカーボン繊維入りの樹脂であるが、そのカーボン含有量が異なるようだ。
ダイワのHPにその情報が載っていた→★
下は上記ページの動画からのキャプチャであるが、
一番左がルビアス、真ん中がカルディアのボディ素材ということになる。
しかしこうして見ると、ZAION Vって、名前は格好いいけどかなりの劣化版ではないか(爆)
つまりこの「3点曲げ試験の変形量の差」 ∝ 「材料のヤング率」に応じて
ボディ厚みを決定していると思われる。
しかし、以前キャンプのペグについて考察した時も、
結局はヤング率の差に辿り着いたが、
このブログはどうしていつもこうなってしまうのだろう(←あんたのせいだよ(爆))
ここまで来ると、本当にあのボディの厚み差が、妥当な設計なのか確認したくなってきた(爆)
うっかりこんなデータがあると色々なことが推測出来てしまうw
まずは、赤い真っ直ぐな線を引いて、真ん中の最大変形量δを見てみよう。
δ=WL^3/48EI
つまりこのδを求めるわけだが、、、まあ画像だけではよくわからん(爆)
仮にザイオンが1とすると、ザイオンVが4くらいだろうか(適当)
曲げ試験のなかで、上式で異なるのはE(ヤング率)だけとなる。
つまりは変形量δとEヤング率は、完全なる反比例関係であり、
ザイオンのヤング率が4とすると、ザイオンVは1となる。
これって、アルミとSUSの差(1:3)より大きいなw
で、このヤング率が4倍違う材質で、同じ剛性になるボディ厚みを決定するわけである。
上の式で言うとI(断面二次モーメント)だ。
もちろんボディの複雑な形状の剛性(≒たわみ量)は解析をしないと出てこないが、
簡単に考えれば長方形の断面二次モーメントの計算を使うことが出来る。
I=bh^3/12
ここでbは長方形(断面)の幅、hは板厚方向であるが、要はhが3乗で効くということが、
非常に重要かつ基本的なポイントとなってくる。
だんだん自分でもよくわからなくなってきたが、
要はルビアス(ザイオン)とカルディア(ザイオンV)のヤング率と断面二次モーメントを
単純にかけてやると、各々のボディ剛性が計算できるというわけだ。
では早速やってみよう
■20ルビアス(ザイオン) :4x20^3=32,000
■21カルディア(ザイオン V):1×25^3=15,625
・・・(爆)
なんかめちゃくちゃ差が付いてしまったw
上記数字を額面通りに受け止めると、ルビアスが2倍強い(変形量が1/2)ということになる。
・・・が、実際にはそこまでの差は無いだろう。
というのも上記の計算は内部の板厚さを全く考慮していないので、
実際にはカルディア(ザイオンV)は板厚を厚くして剛性を稼いでいるのではないだろうか。
それは即ち重くなるということであり、結局製品としての重さの差に如実に現れている。
他にも、ネジが見えたり見えなかったりの差
エンジンプレートと呼ばれる部品の格好よさなどw
↓ルビアス
↓カルディア
よくよく見ると価格差相応に差があるように感じる。
価格は実売で17,000円と30,000円くらいであろうか(ルビアスは高くなった気がする)
ただ、廃番ということで、今後 25,000円くらいで買えるタイミングがありそうだ。
そのような差がある両者であるが、ドラグノブは全く同じように見える。
まあ、何にしても20ルビアスと21カルディアの、
特にボディ厚みの差を真剣に考えることによって、
ザイオンとザイオンVのヤング率差が4倍ほどもあることに気付けたので、
これはこれで有意義であった。
ヤング率4倍といえば、同じ形状・同じ外力での変形が
例えば 0.1mm と 0.4mm になるという鬼のような差である。
元はと言えば、私がボディ厚みの差を見過ごせないと思ったのは、
厚みが3乗で剛性に効くため、ここまで差を付けてしまったら
ザイオン2種の材料差を超えているだろう・・・と指摘したかったのだがw
計算してみると寧ろカルディアが弱いという結果が出てしまったというのが、実際のところだ。
釣り人諸兄においては、今後ザイオンVという格好いい名前に惑わされないように
十分留意頂きたい(爆)
(おしまい)
ダイワ(DAIWA) スピニングリール 20 ルビアス LT (2020モデル)(amazon)
ダイワ(DAIWA) スピニングリール 21 カルディアLT (2021年モデル)(amazon)
既にダイワのHPから姿を消してしまっているが、まだまだ市場在庫は豊富にありそうで、
ここからが買い時であろうw
ところで、20ルビアスと21カルディアという、
グレードとしてはワンランク違いの両者を使った感想を先に述べておくと、
あらゆる点で20ルビアスの方が上である・・・と価格なりの評価に落ち着いてしまう。
もちろん軽さはスペック通りの差があるが(2000番で、150gと175g)
何よりその軽さ差の体感半分くらいが、回転体であるローターに振り分けられていることが大きい。
ローターの重さは、巻き始めの重さに直結し、
ぐるぐるっと回して手を離したところで盛大に回り続ける様は、正に安いリールのあれであるw
というわけで比べるまでもなく、高い方がいいリールだし、両者で悩んでいるのであれば、
私はルビアスをお勧めするが、そんなありふれた事を書きたくてこの記事を書き始めたわけではない。
さて、両者の違いは並べて比較すると非常にわかりやすく、
ダイワのエンジニアが真面目に価格差を出すように考えていることがよくわかる。
まずは、ベイルであるが、ルビアスのベイルは流線型でつるんとしている。
片や、カルディアのベイルは、明らかな繋ぎ目があるw
どう見てもこっちの方が安そうだ(爆)
しかし、実釣で悪影響があるかどうかはわからない・・・それが趣味の世界というものだw
他にも何故かネジがデカいとか、ネジ頭がやや出っ張り気味とか、
地味な嫌がらせ?のような差異が存在する。
これらは並べて見れば明らかだが、例えば初めて手に取ったリールがカルディアだったとしたら、
何も思わずに使い続けるレベルの差であろう。
しかし、実際には違う。
暇なおじさんはリールを並べてゴタクを並べるのが大好きだ。
そしてやっぱり高い方がいいね・・・という結論になるように上手く出来ている。
そのダイワの術中にまんまとハマったのがこの記事だ(爆)
↓20ルビアス
↓21カルディア
そしていよいよ話は核心に入る
私が最も気になった両者の差は、このボディの厚み差である。
左がルビアスで、右がカルディアだ。
明らかにカルディアが分厚い。
どこのことを言ってるの?・・・というと、ココのことを言っているw
ボディの厚みの定義は様々解釈があるだろうが、私はココの寸法を比較してみた。
寸法はノギスではなく定規で測ったレベルであるから、多少の誤差は有るだろう。
体感では1.5倍くらい違うと思ったが、寸法的には1.25倍しか違わなかった・・・おかしいなぁw
まあどちらにしても、こんなに見た目で大きな違いがあるのに、
巷のほとんどの情報は、このことに触れていないのである。
これはどう考えても見過ごすことの出来ない大きな差でしょう。
このボディ厚みの差は、両者の材質差から来ていることは容易に想像出来る。
巷にありふれた情報によるとw
20ルビアスがザイオン、21カルディアがザイオンVという材質で、
いずれもカーボン繊維入りの樹脂であるが、そのカーボン含有量が異なるようだ。
ダイワのHPにその情報が載っていた→★
下は上記ページの動画からのキャプチャであるが、
一番左がルビアス、真ん中がカルディアのボディ素材ということになる。
しかしこうして見ると、ZAION Vって、名前は格好いいけどかなりの劣化版ではないか(爆)
つまりこの「3点曲げ試験の変形量の差」 ∝ 「材料のヤング率」に応じて
ボディ厚みを決定していると思われる。
しかし、以前キャンプのペグについて考察した時も、
結局はヤング率の差に辿り着いたが、
このブログはどうしていつもこうなってしまうのだろう(←あんたのせいだよ(爆))
2021/07/03
<はじめに>近代日本のオートキャンプのペグといえば、スノーピーク社のソリッドステークがまさにその開祖、先駆者でありスタンダードでもあるわけだが、その後の後発品や大陸からの模倣品、更にはガレージブランドのオリジナルペグまで、たかがペグとはいえ、日本国内で販売されている種類は1…
2021/07/11
勢いで書き始めた本書であったが、1週間放置していたら、うっかり失速するところであった。鉄は熱いうちに打てとは、よく言ったもので、鍛造ペグも熱いうちに打っているから強度が上がっているのだろう(笑)2021/07/03ペグの設計(1)(2021年ナチュログ社刊)↑前編はコチラ以下…
ここまで来ると、本当にあのボディの厚み差が、妥当な設計なのか確認したくなってきた(爆)
うっかりこんなデータがあると色々なことが推測出来てしまうw
まずは、赤い真っ直ぐな線を引いて、真ん中の最大変形量δを見てみよう。
δ=WL^3/48EI
つまりこのδを求めるわけだが、、、まあ画像だけではよくわからん(爆)
仮にザイオンが1とすると、ザイオンVが4くらいだろうか(適当)
曲げ試験のなかで、上式で異なるのはE(ヤング率)だけとなる。
つまりは変形量δとEヤング率は、完全なる反比例関係であり、
ザイオンのヤング率が4とすると、ザイオンVは1となる。
これって、アルミとSUSの差(1:3)より大きいなw
で、このヤング率が4倍違う材質で、同じ剛性になるボディ厚みを決定するわけである。
上の式で言うとI(断面二次モーメント)だ。
もちろんボディの複雑な形状の剛性(≒たわみ量)は解析をしないと出てこないが、
簡単に考えれば長方形の断面二次モーメントの計算を使うことが出来る。
I=bh^3/12
ここでbは長方形(断面)の幅、hは板厚方向であるが、要はhが3乗で効くということが、
非常に重要かつ基本的なポイントとなってくる。
だんだん自分でもよくわからなくなってきたが、
要はルビアス(ザイオン)とカルディア(ザイオンV)のヤング率と断面二次モーメントを
単純にかけてやると、各々のボディ剛性が計算できるというわけだ。
では早速やってみよう
■20ルビアス(ザイオン) :4x20^3=32,000
■21カルディア(ザイオン V):1×25^3=15,625
・・・(爆)
なんかめちゃくちゃ差が付いてしまったw
上記数字を額面通りに受け止めると、ルビアスが2倍強い(変形量が1/2)ということになる。
・・・が、実際にはそこまでの差は無いだろう。
というのも上記の計算は内部の板厚さを全く考慮していないので、
実際にはカルディア(ザイオンV)は板厚を厚くして剛性を稼いでいるのではないだろうか。
それは即ち重くなるということであり、結局製品としての重さの差に如実に現れている。
他にも、ネジが見えたり見えなかったりの差
エンジンプレートと呼ばれる部品の格好よさなどw
↓ルビアス
↓カルディア
よくよく見ると価格差相応に差があるように感じる。
価格は実売で17,000円と30,000円くらいであろうか(ルビアスは高くなった気がする)
ただ、廃番ということで、今後 25,000円くらいで買えるタイミングがありそうだ。
そのような差がある両者であるが、ドラグノブは全く同じように見える。
まあ、何にしても20ルビアスと21カルディアの、
特にボディ厚みの差を真剣に考えることによって、
ザイオンとザイオンVのヤング率差が4倍ほどもあることに気付けたので、
これはこれで有意義であった。
ヤング率4倍といえば、同じ形状・同じ外力での変形が
例えば 0.1mm と 0.4mm になるという鬼のような差である。
元はと言えば、私がボディ厚みの差を見過ごせないと思ったのは、
厚みが3乗で剛性に効くため、ここまで差を付けてしまったら
ザイオン2種の材料差を超えているだろう・・・と指摘したかったのだがw
計算してみると寧ろカルディアが弱いという結果が出てしまったというのが、実際のところだ。
釣り人諸兄においては、今後ザイオンVという格好いい名前に惑わされないように
十分留意頂きたい(爆)
(おしまい)
ダイワ(DAIWA) スピニングリール 20 ルビアス LT (2020モデル)(amazon)
ダイワ(DAIWA) スピニングリール 21 カルディアLT (2021年モデル)(amazon)
BUX3.8g のフックサイズ
24ルビアスのスプール互換性 〜 おじさんの自由研究w
ベストバイ2024上半期 アブガルシア フラットビルキャップ
【爆安】ダイワ20ルビアスLT2000S, LT2000S-XH
プレッソSTとファインテールエリアの違う点
ダイワ 21カルディアのベアリング追加
ダイワ SLP ダブルハンドル(RCS マシンカットライトハンドル)
シマノ ニューBM-1 (半)オーバーホール
アブガルシア セミハードロッドケース
コルクグリップの汚れ落とし(釣り竿・ロッド)
24ルビアスのスプール互換性 〜 おじさんの自由研究w
ベストバイ2024上半期 アブガルシア フラットビルキャップ
【爆安】ダイワ20ルビアスLT2000S, LT2000S-XH
プレッソSTとファインテールエリアの違う点
ダイワ 21カルディアのベアリング追加
ダイワ SLP ダブルハンドル(RCS マシンカットライトハンドル)
シマノ ニューBM-1 (半)オーバーホール
アブガルシア セミハードロッドケース
コルクグリップの汚れ落とし(釣り竿・ロッド)
コメント
しく様
最近マジで暑すぎです...
管釣り行こうと思いましたが流石に断念して、短時間ライギョに切り替えてます。
そして、今年の夏は鮎ルアーデビューしようかと考えています!
最近マジで暑すぎです...
管釣り行こうと思いましたが流石に断念して、短時間ライギョに切り替えてます。
そして、今年の夏は鮎ルアーデビューしようかと考えています!
タカさん
おはようございます〜
流石にこの暑さだと基本、日陰の無い管釣りはキツイですよね〜
鮎イングですか
そういえば昔リュウキに小さい鮎がかかったことはありました
ラバーネットの網目から出ちゃうくらい小さいのでしたがw
おはようございます〜
流石にこの暑さだと基本、日陰の無い管釣りはキツイですよね〜
鮎イングですか
そういえば昔リュウキに小さい鮎がかかったことはありました
ラバーネットの網目から出ちゃうくらい小さいのでしたがw