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恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察

Jan 13 , 2018

☆薪ストーブ(12)

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察

薪ストーブの逆流・・・どくろ

期待に胸膨らませ、購入した薪ストーブで、こんな惨劇が待ち受けているとは、、、

購入前には、なかなか想像も付かないことでしょう。



・・・あれから1年、ようやく見えてきたそのメカニズム。

様々な情報から、私の中ではある程度確証が得られました。



キャンプ、薪ストーブ、逆流・・・そのメカニズムに迫る渾身の?技術系レポ

本日公開です。。。

(全部、素人の妄想ですので、話半分でお願いします。(笑))





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2017年1月13日・・・今からちょうど一年前

私は、初めての厳冬期ふもとっぱら、2回目の薪ストキャンプ、に単身挑もうとしていた。



当日朝、マックスバリュ河口湖店から仰ぎ見た富士山の姿は、

今思えば、これから起こる惨劇を十分予感させるものだったが、

当時の私には、何も予測することは出来なかった。。。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察










そして、平日でガラガラだったふもとっぱら、

かなり前方(富士山寄り)に、この24時間後に倒壊する事となった当時の愛幕

小川・アルマディ4と薪ストを設営完了した。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察










幕内のセッティングは、ご覧の通り。

よく見ると、ケンタ薪のウサギがのんきにピースをしているが、

ピースしている場合では無かったことは、1年前のレポを見れば明らかだろう。



恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









夕方になり、当然ながら薪ストを稼働し始めた。

確か、最初は順調だったように思う。。。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









この日は、私の到着時点ではそれほどではなかったと記憶しているが、

午後から徐々に風が強くなり、慢性的な強風に時折突風が混じるという

かなりの悪コンディションだった。



そして19時を過ぎた頃から、さらに突風が暴力的となり、

ここからが恐怖の惨劇の始まりだった。



そう、薪ストの逆流が起こり始めたのだ。



突風で薪ストが逆流すると、薪スト内の炎は消え、(焚き火を失敗したような)臭い煙が、

幕内に充満する事になる。

一酸化炭素警報機も鳴りまくり、幕内は瞬時に地獄絵図と化すのだ。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









これまで、あまり詳細に書いたことは無かったが、

この日は都合10回くらい、薪ストの逆流を経験した。


突風で逆流→換気→薪スト再点火→突風で逆流→換気→薪スト再点火→・・・


という無限ループを、ひとり永遠と繰り返していたのだ。

だから、下の写真は、上の写真よりもアングルがこなれている。(笑)

(つまり、何回目かの逆流時写真)

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









そう、ふもとっぱらで逆流するのは、簡易トイレのう○こだけではなかったのだ。(爆)

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察











さて、いよいよ本題である。

ここからタイトル通り、薪スト逆流のメカニズムに迫ってみようと思う。



・・・薪ストはどうして逆流したのか?

それを推測するためには、逆転の発想がわかりやすいと考えた。



つまり、逆流させない方法ではなく、わざと逆流させる方法、

それを考えてみようというのだ。


恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









いざ考えてみると、この細く長い煙突に逆らって、

テント内に煙を送り込むのは、意外に難しそうだと気付く。


扇風機は強風に代わる想定としたが、下図のように風を当てたところで

蚊取り線香の煙がテント内まで到達するとは、とても思えない。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









私が使っているホンマの煙突トップは、このような形状。

逆流するときは、ここから強風が入り込んでいると思い込んでいたが、

いや、実際入り込んでいたのだが、

いざ、ここに扇風機で風を当てたところで、煙突内を逆流し

幕内までその風が到達することはないだろう。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察










下の写真は実際に左手から中程度の強風が吹いている状態だが、

扇風機で煙突トップに強風を当てたところで、このようになってしまうのが関の山だろう。


つまり、世の中とは皮肉なもので、逆流であれほど困っていたのに、

いざ、逆流させようとすると、意外と逆流させられないのである。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









それでは、どうすれば逆流状態を作り出すことができるのか?



正解はこうだ。

扇風機をテント内に入れ、翼部分だけ、テント外を覗かせるように設置する。

これで一昔前の(壁に付いていた)デカイ換気扇のように、テント内の空気を排出してやれば、

煙突は吸気口と化し、見事、蚊取り線香の煙でテント内は充満・・・めでたしめでたし

と、なるわけだ。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









次に、このときのテント内外(幕内外)の圧力差に着目してみる。

なぜなら、空気の流入・流出は


「圧力の高い方から低い方へ流れる」


という自然科学の原理によって、起こっているためで、

圧力差を考えることで、気体がどちらに流れるかを、理論的に把握出来るからだ。




模式図的に描くと、下図のようになる。

幕内:換気扇(扇風機)で気体が排出され・・・−(マイナス)

幕外:幕内よりは高いので・・・+(プラス)

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察

つまり、換気扇で幕内の空気を強制排出し、

若干の負圧(真空)状態を作り出したことで、

幕内外の圧力差が生じ、幕外からの空気逆流が実現出来たことになる。



実際の薪スト稼働時には、煙突内には熱せられた気体による「上昇気流」が発生しているため、

逆流が生じるのは、


「圧力差による逆流」 > 「上昇気流」


となった場合のみだと考えられる。

つまり、少々の圧力差ならば問題ないが、大きな圧力差が生じると逆流するのだ。









以上が、扇風機を換気扇代わりにして、無理矢理逆流させた場合の推測メカニズムだが、

実際のフィールドでは、もちろん扇風機も換気扇も存在しない。


その状態で、どうやったら下図のような幕内外の圧力差を作り出せるのか?

そこが正にポイントとなる。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察











ここで、1年前の逆流体験に話を戻そう。


このとき、私は換気のため、幕上部のベンチレーションを「風下側だけ」開口していた。

どうして風下側だけだったかというと、風上側のベンチレーションを開けると

強風が幕内に流入し、とても寒かったからである。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









風下側だけのベンチレーションを開けると、何が起きたか・・・?

幕の外側を通過する突風に、幕内の空気が吸い出されるような、

「真空イジェクタ」的な現象が起きていたと考えられる。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察

「真空イジェクタ」とは、空圧を利用した工業製品で、

高圧エアのみだけで真空状態を作り出すことが出来る。

その原理は、まさに上図のごとくである。












風下側のベンチレーションを開けてしまったばっかりに、

幕内の空気が、突風によって吸い出され、幕内の圧力はマイナスとなった。

(ここでいう「マイナス」とは、幕外と比較して「相対的に圧力が低い」という意味である。)



こうして、換気扇で意図的に作り上げた幕内外の圧力差と同じ状況を、

自然の力を利用して、再現することに成功?し、

見事、薪ストは逆流したわけである。。。(泣)

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察











と、ここまで書くと、私が以前書いたレポを思い出される方も居るかもしれない。



そう、このキャンプでの惨劇は、薪ストの逆流に留まらず、

翌朝には、撤収中にテント倒壊という、実に壮絶な結末を迎えていたのだ。



そのテント倒壊時の理論↓と、今回の薪スト逆流の理論は、全く同一の原理である。



恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察









・・・逆流させる方法はわかった。

では、どうすれば逆流を防げたのか?



実は、1年前のフィールドで、白煙まみれになりながらも、

私は、いくつかのアイデアを試していた。



そのひとつが、下図であるが、風下のベンチレーションを閉じ、

風上のベンチレーションを開けるというアイデアである。

これは、先ほどまで私が断定的に書いていた理論が正しければ、

まさに「正解」のはずであり、これであの晩を凌げたはずだが、結果は。。。

恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察

これでも100%逆流を防ぐことは出来なかった。

あの晩、逆流発生は、突風時に起こったが、

確かにこの方法で、突風襲来時の逆流発生の確率が

10割から4割程度までは下がった。

が、完全に防ぐことは出来なかったし、何より風上を開けると寒過ぎた。(汗)



では、両方のベンチレーションを閉じたらどうか?というのが気になるが、

これは記憶があやふやで、やっていないか、やったけど結果は上と同程度だったと思われる。










ひとつだけ鮮明に記憶しているのは、煙突トップの風上側に、

風よけとして、丸形はんごうのフタをアルミテープで貼り付ける方法である。


ここまで、(辛抱強く)読まれた方ならわかると思うが、

これは全く効果が無かった。



つまり、、、薪スト逆流は、煙突トップから押し込まれるものではなく、

内部からの吸引により発生するものなのだ。


恐怖の薪スト逆流 〜 そのメカニズムを考察





・・・ということで、長々と私なりの「推測」を書いてみた。

元来、そのような強風下では、幕内での薪スト使用などもってのほかだが、

「消せば凍える」という状況下では、なかなか消火するという選択肢は取り難いものがある。



突風による「逆流」の先には、「テント倒壊」という最悪のシナリオが待ち受けていることは

常に頭の片隅に置いておく必要があるが、

その「間」で、解決策を求めたくなったときに、本レポの内容



つまり・・・風下の窓を開けるとロクなことが無い



ということを思い出して頂けたら、少しは問題解決の助けになるかもしれません・・・ね?

(↑最後だけ何故か弱気(爆))






(おしまい)

※本レポの内容は、全て個人の推測と妄想であり、参考にされる場合は自己責任でお願いします。















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コメント
暇!(爆)
それを最後まで読んでグフグフ言ってる私も暇(爆々)

真空インジェクタ理論とわかりやすい図解、
とても参考になりました。

どう参考にすればいいんでしょうか?(爆笑)

ジュウシンジュウシン
2018年01月13日 15:52
ジュウシンさん
こんにちは〜

グフグフ言っていただけて光栄です

どう参考にすればいいか・・・?
一から出直して来いや〜!(爆)

まあ、逆流したら、その日は薪ストを諦めるのがいいんじゃないでしょうか・・・

しくしく
2018年01月13日 17:12
こんばんは。

空圧!たしかに!
先日のスウィートグラスで薪ストーブの使用方法の説明を受けた時に、窓やドアを開けていたり換気扇を回していると煙が室内に逆流するので気を付けてと言われました。
テントではベンチレーションが換気扇の役割を果たしていたのですね?!

突然の逆流で幕内が煙モクモクになったら怖いですね((((;゚Д゚)))))))
しくさんは落ち着いて対処したり、その後も原因を検討されたりとさすがです!

薪ストーブつかっていませんが、理論的なお話、勉強になりますm(_ _)m

こじこじ
2018年01月13日 19:01
こんばんは~

ニヤニヤしながらコメントまで読んでいたら、
嫁に変な顔されてしまいました・・・(爆)

あ~なるほど納得!!!っと思ったのですが、
うちの薪スト、強風以前にトップ詰まりで逆流しまくりでした・・・(^^;

真空インジェクタ理論、しっかりインプットされましたよ~!

でも一番インプットされたのは簡易トイレのう○この逆流のような気も・・・(爆)

NamiheiNamihei
2018年01月13日 19:04
こじさん
こんばんは〜

そうそう、先日のこじさんSGレポの換気扇のくだりも
確証を持ったひとつの情報でした。
調べてみると家庭用の薪ストでも逆流の問題はあるようですよ。

さすがにあの夜は落ち着いてというより、途方に暮れていました。
まあ一人だったのが幸いでしたね。

ポルヴェーラも似たような構造なので、強風時の風下パネル解放は
要注意ですね。
ほんと地面に吸い付くように倒壊しますので。。。

しくしく
2018年01月13日 22:04
Namiheiさん
こんばんは〜

ニヤニヤ閲覧、ありがとうございます(笑)

そうそう、あのサイレンサーみたいなオリジナルの煙突トップ
かなりの力作だったようですが、詰まってしまったのですか〜。
薪ストはほんと機種が違うとガラリと傾向も違うのですね。

う○この逆流・・・小学生男子並みの食い付き、ありがとうございます(爆)

しくしく
2018年01月13日 22:07
しくさんこんにちはー!!

考察お疲れさまですっ!!
なるほどーっと読み進めてたらまさかのう○こネタ!

ゲレンデで思わず吹きました(笑)
もう一回最初から熟読してみます。

またう○こで笑いそうです(笑)

ひなこ (noelhina)ひなこ (noelhina)
2018年01月14日 09:43
逆流の理論、分かったような分からないような・・・
いや、これはしくさんの理論説明が悪いのではなく
私の頭が悪いのです(汗)


う◯こだけでなく、強風時は薪ストも逆流する。
風下のベンチレーションを開けない。
そもそも強風時には薪ストーブを使用しない。
ということは分かりました(笑)

いずれウトガルドも・・・と思っていましたが
トップが開くピルツが我が家のテントの中では
一番薪ストーブに適しているように思いました。

marmi-akmarmi-ak
2018年01月14日 10:04
ひなこさん
こんにちは〜

う○こネタ(汗)・・・失礼致しました(笑)

ひなこさんの前回キャンプは結構な強風だったようですが
逆流もしなかったようなので、テントとストーブの相性がいいのかもしれませんね〜

しくしく
2018年01月14日 17:00
marmi-akさん
こんにちは〜

いやいや、ちょっと暇に任せて沢山書き過ぎてしまいました。

それにしても先日の年越しキャンプは薪スト堪能されたようでよかったです〜
鎮火後寒いのは、また追々ですかね(笑)

トップが開くと、換気もしやすいですからね〜
でもウトガルドならポリコットンで通気性も良さそうだし、
それはそれでいいかもですね。。。

しくしく
2018年01月14日 17:05
こんにちは。
まるで教育テレビ(Eテレ)を見ているような完璧な理論ですね。
真空エジェクタなんて初めて知りました。
モータースポーツでお馴染みの「ベンチュリ効果」のことですかね?
図だけ見てると「煙突トップ」でも発生させて、むしろ「強風時に引きが良くなる」煙突とか開発できそうです(笑)

zero21keizero21kei
2018年01月15日 12:49
zero21keiさん
こんばんは〜

完璧・・・に騙されましたか?(爆)
冗談です。
ベンチュリ効果のことです。あれの燃料が吸い込まれる代わりに
モノを吸着したりします。

なるほど、確かに風を受けて羽根を回して、煙突内のスクリューでも回せば
それは出来そうな気がしますね。
ホリデーロードで開発してもらったらどうですか?(笑)

しくしく
2018年01月15日 21:27

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